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有紗達が教室に入ると、既に殆どの生徒が揃っていた。流石に出会って3年目だけあり初めてクラスが同じになったとは言っても、話は出来ていた。
有紗が自分の席を確認した。クラスの一番後ろだった。そこに行くと鞄を置き、席に着いた。目の前の席は明日香だった。
「前見える?」
明日香は椅子に跨りながら有紗の机に肘をついていた。有紗は小さく頷いた。
「馴染めそう?」
有紗は首を横に振った。
「でもまぁ私がいるからね」
そう言いながら有紗の頭をグシャグシャと撫で回した。
「有紗が隣か。よろしくな」
声のする方を向くと、慎吾がいた。
「勉強とか解らなかったらお前に聞くからヨロシクな」
有紗は小さく頷いた。
「慎吾~。そこで有紗頼るのかよ」
「止めとけって。どうせ何も話さねぇんだから」
慎吾と話をしていた男子が口々にそう言った。
「ちょとそんな言い方無いんじゃないの!」
明日香が男子達に怒鳴ると同時にチャイムが鳴った。
「あ~怖い怖い。鬼が出たぞ~」
男子達が自分の席に戻りながらそう言っていった。
「全く…。ねぇ私って鬼に見える?」
有紗はさっきよりも大きく横に首を振った。
「ありがと」
明日香はニコッと笑った。
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