新しい季節

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教室前方の入口が開き1人の男が入ってきた。 「1組は…ここだよな?」 「違いま~す」 男が生徒の方を見て聞いて間髪入れずに慎吾が言った。男は恥ずかしそうに頭を下げながら教室を出ていった。 「慎吾いきなり何言ってるの?」 「いや、まさか本当に出てくと思わなかったし…」 ほかの生徒も苦笑いしていた。 「なんだよ、あってるじゃないか~」 さっきの男が戻ってきて教卓の前に立った。手には『3-1』と書かれた出席簿を持っていた。 「えっと?初めまして。このクラスの担任になった川島秀樹だ。今年教員になりたてだからその辺ヨロシクな」 黒板に自分の名前を書きながらそう言った。川島は生徒の顔と出席簿を交互に見ながら色々とメモをしていた。 「とりあえずみんな居るみたいだな。じゃあ自己紹介でもしてもらうか」 その言葉にクラス中から不満の声が上がったが、それを無視して川島は話を進めた。
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