4人が本棚に入れています
本棚に追加
公園の桜が散り始めた4月の始め。
中学校の3年玄関ではクラス分けの掲示の前に、生徒が集まって騒いでいた。
友達と同じクラスか。担任は誰か。あいつとは違うクラスか。
などそれぞれ期待や不安を持ち自分の名前を探した。
その集団の少し後ろで自分の名前を探す少女がいた。風にロングの髪をなびかせ、手で目を擦りながら名前を探した。
「…高橋…高橋…あ」
そう呟きながら自分の名前を見つけた少女。
「あ~り~さ」
そのとき少女の名前を呼びながら飛びついてきた。少女は特に驚いた様子は見せず振り向いた。
「また同じクラスだね」
「明日香…」
風に消されそうな小さな声で友達の名前を呼ぶと、乱れた髪を軽く整えた。
「またヨロシクね」
明日香はそう言うと、右手を伸ばして強引に有紗の右手を掴んで握手をした。有紗はその握られた右手をじっと見て、そのまま視線を上げた。無邪気に笑う明日香の顔があった。
最初のコメントを投稿しよう!