序章『滅びの天使』

1/8
前へ
/163ページ
次へ

序章『滅びの天使』

 およそ四十六億年程前、太陽と地球は同じ頃に誕生した。  地球は真っ赤な巨大な火の球で、長い年数をかけて表面温度が下がり、やがてその熱を体内に内包し、一つの大陸と巨大な水溜まりを誕生させた。  熱が冷めると、まるで風船がしぼむようにシワシワが出来、地殻変動により、大陸はいくつもの形に分離していった。  その頃、地球にはいくつもの巨大な隕石が着弾し、大きな傷跡を遺している。アメリカ、アリゾナ州の砂漠の隕石孔は直径1・3㌔、百万㌧クラスの巨大な隕石だったと思われる。  この程度のものは百個以上確認されていて、確認されている中でも、直径六十㌔も在る隕石孔もあると見られている。  特に南極で発見された隕石は、月や火星の地質に似た成分を含んでおり、いくつも発見されている……隕石の正体が未だに解らないのが現状で、内部に未知のウイルスが残されている可能性が、問題視されていた。  エイズ、エボラ……ETC。いつの間にか現れるウイルスに対し、”未知”と言う名称で危惧した、研究している学者も、何気に指摘する。  そんな中の一つ。まだ地球が巨大な海を湛えていた頃、どこから来たのか(多分、惑星間衝突により、大破した星の一つ)いくつかの隕石が、広大な大海原に落下した。  地殻変動により大地は形を変え、海底の地殻さえ隆起運動により地表に突き出し、今まで眠っていたいくつかの隕石が押し上げられ、地表に露出したまま何十億年も放置された。  
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加