黒白(コクビャク)の世界

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その日(って言っても、日にちなんかないけど)、俺はハデス様に呼ばれてあの人が住んでいる屋敷に向かった   いや、屋敷なんていうものじゃない       ハデス様は巨大な洞窟に住んでるんだ   洞窟の入り口にはちゃんと門がある 中はちゃんとした建物で、岩を削ってできた階段や廊下、部屋が沢山ある 所々に棒が立っていて、その上で青い炎が周りを照らしていた         ハデス様の部屋は一番下 地下深くにある           「ハデス様、只今参りました」     部屋の扉をノックしても、返事がない       「ハデス様?」 「…こっちだ」     いつの間に後ろにっ!     「気配を消して近寄るの止めて下さいよ…」 「つい、クセでな」   ハデス様はそのまま部屋ではなく、違う方向へ歩いてゆく       「来い」     .
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