永き刻

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それから駅に着いたのは約2時間後 ケータイをみると『21:29』だった オレは足下に置いていたバックを肩にかけ、電車の外に出た プラットホームを見渡してみたが莉奈の姿は無かった 外はもう闇を向かえたようで、灯りがないと帰ってこれないような様子であった しかもまだ雪が降り続いており、歩くとさくっさくっと音が聞こえるほど積もっている 初めての感触だ 目の前には小さく昭和を思わせるほど古ぼけた木造の待ち合い室からおぼろ気な、明かりが漏れている オレはぐったりした足どりで待ち合い室に足を向けた 中に入り、見渡してみたがやはり莉奈の姿は無かった 「はぁ」 ため息がもれる なんのためにここまで来たのだろうか オレは待ち合い室のイスに腰かけた 幾分身体の疲れがとれた気がする 「マコトくん!!」 オレは声につられて振り向いた
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