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短き刻
そこには頬を赤く染めた莉奈の姿があった
オレは自分のことが馬鹿馬鹿しく思えた。
なぜ、はなから莉奈がもういないと決めつけていたのだろうか、現実として待ってくれてここにいるではないか
「ほんとに...よかった...」
瞳から暖かいものが込み上げてくる
それは止める必要がない止めようとしても止まらないであろう
「どうしたの?マコトくん?」
莉奈は微笑みながらこう聞いてきた
が、オレは声が出せなかった
そうすると莉奈はオレの手を引いて、駅の外に連れていった
莉奈は駅のすぐとなりを指差してこう言った
「見て、雪だるま!マコトくんが遅いから作ってたんだからね」
そこには雪だるまの胴体になるでかい雪玉とまだ作り始めたばかりという感じの小さな雪玉があった
「ねぇマコトくん作ろ!」
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