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サンドイッチに手を伸ばす。朝は脳に糖分補給が大事とテレビで見たのを思い出し、ジャムのサンドイッチを手に取る。
「ブルーベリージャムか。美味いなこれ」
ブルーベリーが潰れずにそのまま残っている部分があり歯ごたえも面白い。思わず二口、三口と噛り付く。
「ふふ~、私が昨日見つけて買ってきたんだ」
そう言って得意げに胸を張る加奈。
「お金を出したのは母さんだけどね~」
「むぅ~」
膨れっ面の加奈が可愛いのですが。父さんもそんなやり取りを和やかに見ている。
しかし、この和やかムードに流されて忘れてはいけない事があります。
「……で、加奈さんは今日は何をねだるのかな?」
お兄ちゃん非常に気になってます……
「うん、あのね……私兄さんと同じ高校受けたいの」
「「はあ!?」」
うちの高校は神龍(しんりゅう)高校。わりと自由な校風だけど、学力レベル的には中くらいの学校かな。
加奈は俺と違い成績優秀。県内のもっとレベルの高い進学校に、進む予定だと思っていたんだけど。
父さんを見ると同じく、驚きの表情をしている。
わざわざ神龍高校を受験する理由は何だろ。
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