498人が本棚に入れています
本棚に追加
「照れなくてもいい。紗枝ちゃん分かってる」
「なんだか微妙にうちの母さんに似てきたね……」
先程の出来事を思い出し苦笑する。まあ、なんだかんだ言っても一緒に登校するのは嫌じゃない。嫌なら最初の方で断っている。
「けど冬は寒くなるから待たせるの悪いし……寒くなったら先に行ってていいよ?」
風邪を引かせる訳には行かないし。俺が早く起きるのは多分無理だし。
「だが断る!」
くわっと目を開けて強い否定をしてくる。んー本当黙ってれば結構美人なのになぁ。
「うん……そこまで否定されると逆に扱いにくいね。俺の家に上がって待っててもいいけど?」
「それは…………恥ずかしい」
手を遊ばせてモジモジする紗枝。大胆な行動をしたり消極的だったりと見てて飽きないな。
「信。今日もパン?」
「うん、付き合ってくれる?」
「…………告白された。びっくり」
「なんでやねん!」
鍛えられたせいか、反射的にツッコミをしてしまう。
「……十点」
厳しいですね紗枝さん。不機嫌そうな顔で切って捨てられた。
最初のコメントを投稿しよう!