秋の訪れと共に

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「照れなくてもいい。紗枝ちゃん分かってる」 「なんだか微妙にうちの母さんに似てきたね……」 先程の出来事を思い出し苦笑する。まあ、なんだかんだ言っても一緒に登校するのは嫌じゃない。嫌なら最初の方で断っている。 「けど冬は寒くなるから待たせるの悪いし……寒くなったら先に行ってていいよ?」 風邪を引かせる訳には行かないし。俺が早く起きるのは多分無理だし。 「だが断る!」 くわっと目を開けて強い否定をしてくる。んー本当黙ってれば結構美人なのになぁ。 「うん……そこまで否定されると逆に扱いにくいね。俺の家に上がって待っててもいいけど?」 「それは…………恥ずかしい」 手を遊ばせてモジモジする紗枝。大胆な行動をしたり消極的だったりと見てて飽きないな。 「信。今日もパン?」 「うん、付き合ってくれる?」 「…………告白された。びっくり」 「なんでやねん!」 鍛えられたせいか、反射的にツッコミをしてしまう。 「……十点」 厳しいですね紗枝さん。不機嫌そうな顔で切って捨てられた。
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