第2章 ~謎の男、現る~

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優将の自宅は 市街にあるらしく、そこからうちの高校に通っているらしい。 「てか、ユウが通っていた中学って何処にあるんだ?確か開盛中学って言ってたけど‥。」 俺はなにげなく聞いたつもりだが、 「えぇーー!!!マジで!!!???」 再び3人、驚きながらハモる。 「か、開盛中って全国で1番頭いい私立中学校じゃん!!」 沙奈が興奮しながら言う。 「そうなの?俺、知らなかった。」 (マジで知らない!) 「ウミィー!なんで知らないの??東京で1番高級なセレブ中学!!てか、なんでユウ君はそっちからうちの高校なんて入学したの??」未世が尋ねた。 すると優将は 「俺は‥‥。 こっちに引越すことになったからだよ。 ただそれだけさ。」 「へー、そうなんだ。」 (なんか意味ありげな表情していたが‥。まぁいろいろあるんだな‥。) 「あ!でも何で少拳部に入ったんだい?バスケ部じゃなくて。」 亮太が首を傾げながら尋ねた。 「あ~。最初は陸上部とバスケ部掛け持ちで入ってたんだけど、 少林寺拳法部に、なんかすごく頑張ってる1年生がいるって聞いてさ、 俺も、なんか新しい事に挑戦して頑張ってみるかなって思ったから。」 優将は小石を蹴っ飛ばしながら話した。 「でも、陸上とバスケはどうすんだよ。さすがに3つの部活動掛け持ちじゃあ‥」 「辞めたんだ!」 優将は俺の言葉を遮りそう言い放った。 「‥え!?」 「だから、陸上&バスケは辞めたんだよ。 これからは少拳部で頑張ってくことに決めたから‥‥ タカ、みんな‥これからよろしくね。」 優将はニコッと笑った。 タカ「おぅ!よろしくな」 沙奈「よろしく~!」 亮太「よろしくどーぞ!」 未世「よろしくぅん!」 (ユウってみんなに明るく振る舞っているけど‥ ‥さっき見せた表情‥‥ なんか悩みでも抱えているんだろうな‥) 俺はそんな何かを感じていた。 雨あがりの夏の夕焼けが 俺の心を、より一層複雑にした‥。 みんなと別れてからも、ひとりで考えていた。 「ま、楽しくやってければいいや!」 夕日に向かってそう呟くと、家まで走って帰った。 突如現れた宝井優将という男との関係が、 今後、俺を大きく揺るがすことになるなど 知るよしもなかった‥。
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