第3章 ~キモチ・SCRAMBLE~

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高校生活最初の 夏休みが始まって4日ほど過ぎた。 午前7時30分。 朝からぎらぎら照り付ける太陽。蒸し暑い日だった。 俺は全員強制参加の課外授業と、少林寺拳法部の練習のために徒歩で学校に向かっていた。 今日は課外授業2日目。 「はぁ‥あちぃ~‥。 せっかくの休みなのに、 今日も課外授業があるとか夏休みの意味ねぇじゃん‥。」 額の汗を拭いながら、ため息をもらす。 午前中はその課外授業で、 午後から部活の練習である。 学校に着き、授業が始まった。 2日目なのにサボる生徒はほとんどいなかった。 課外最終日にはどれだけの人数が残っているのだろうか‥‥ (あ~‥だりぃ~‥。 どうせ成績に関係ない授業だから、今日も居眠りでもするか‥) 俺は授業中の大半を居眠りをして過ごした。 あっという間に12時になった。 もちろん、 授業の内容なんて、脳内にこれっぽっちも入っていない。 (よし。よく眠れた! さぁさぁ!部活、部活!) 張り切って、自分の顔をパシパシって叩いた。 今日も亮太と未世と3人でお弁当を食べることにした。 食事中、未世が俺の弁当を覗き込んできた。 「な‥なんだよ‥未世。」 「‥ウミィのお弁当って、すごく美味しそうだなって思ってさ‥」 未世が言う。 「お??未世も食べるか?ほら。」そう言って、弁当箱を差し出す。 「え?いいの!?」 驚く未世。 俺が頷くと、未世は 嬉しそうに箸でおかずをつまみあげる。 「いただきまぁす!!‥‥。 ん!!美味し~い!!」 「うちの母さん、調理師免許持ってるから料理だけは上手いんだ。」 俺は言った。 「そーなんだ~。だからこんなに美味しいんだね!!! ウミィは毎日美味しいごはん食べれるから幸せだね~。」 そう言って未世は、俺のことを見つめた。 「まぁ、うちの母さん、普段はちょっとおっとりしてっけど、 料理の腕前は確かなんだ。」 少し自慢げに語る俺。 「あたしね‥。 将来、料理の道を目指したいなって思っているの。 だから、こんなに美味しい料理作っちゃうウミィのお母さんの事、尊敬しちゃうわけ。」 恥ずかしがりながら未世が言った。 「今日のこのお弁当、あたし作ったんだ。 ウミィも食べて!! はい!!あ~ん!!」 未世は、おもむろに自分のおかずを俺の口元に‥‥。
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