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高校生活最初の
夏休みが始まって4日ほど過ぎた。
午前7時30分。
朝からぎらぎら照り付ける太陽。蒸し暑い日だった。
俺は全員強制参加の課外授業と、少林寺拳法部の練習のために徒歩で学校に向かっていた。
今日は課外授業2日目。
「はぁ‥あちぃ~‥。
せっかくの休みなのに、
今日も課外授業があるとか夏休みの意味ねぇじゃん‥。」
額の汗を拭いながら、ため息をもらす。
午前中はその課外授業で、
午後から部活の練習である。
学校に着き、授業が始まった。
2日目なのにサボる生徒はほとんどいなかった。
課外最終日にはどれだけの人数が残っているのだろうか‥‥
(あ~‥だりぃ~‥。
どうせ成績に関係ない授業だから、今日も居眠りでもするか‥)
俺は授業中の大半を居眠りをして過ごした。
あっという間に12時になった。
もちろん、
授業の内容なんて、脳内にこれっぽっちも入っていない。
(よし。よく眠れた!
さぁさぁ!部活、部活!)
張り切って、自分の顔をパシパシって叩いた。
今日も亮太と未世と3人でお弁当を食べることにした。
食事中、未世が俺の弁当を覗き込んできた。
「な‥なんだよ‥未世。」
「‥ウミィのお弁当って、すごく美味しそうだなって思ってさ‥」
未世が言う。
「お??未世も食べるか?ほら。」そう言って、弁当箱を差し出す。
「え?いいの!?」
驚く未世。
俺が頷くと、未世は
嬉しそうに箸でおかずをつまみあげる。
「いただきまぁす!!‥‥。
ん!!美味し~い!!」
「うちの母さん、調理師免許持ってるから料理だけは上手いんだ。」
俺は言った。
「そーなんだ~。だからこんなに美味しいんだね!!!
ウミィは毎日美味しいごはん食べれるから幸せだね~。」
そう言って未世は、俺のことを見つめた。
「まぁ、うちの母さん、普段はちょっとおっとりしてっけど、
料理の腕前は確かなんだ。」
少し自慢げに語る俺。
「あたしね‥。
将来、料理の道を目指したいなって思っているの。
だから、こんなに美味しい料理作っちゃうウミィのお母さんの事、尊敬しちゃうわけ。」
恥ずかしがりながら未世が言った。
「今日のこのお弁当、あたし作ったんだ。
ウミィも食べて!!
はい!!あ~ん!!」
未世は、おもむろに自分のおかずを俺の口元に‥‥。
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