第1章 ~High School Begins~

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あー‥ いきなりだが‥、 俺は今、恋をしている。 と言っても片思いだが‥。 恋をしているときって 何だか、毎日がそわそわ。 今日はあの娘に会えるかな‥ あの娘とお話しできるかな‥ こんの気持ちが、どことなく好きなんだ‥。 ‥って、こんなこと 口に出すと、何か恥ずかしいが‥ 俺は海村孝昭。 15歳。 中学の時、バレーボール部。 身長170㎝。 体重58kg。 血液型はB。 顔は、ちょっぴり濃いけど、まぁ至って平凡かな‥ この春、めでたく市内の県立高校に入学した。 で、 俺が恋してる娘は、中学時代からの友達。 名前は空山 葵ちゃん。 頭が良くて、可愛いくて、優しい。 一緒に同じ高校を受験して、トップの成績で合格している。 俺がこの高校に入れたのも、実は葵ちゃんのおかげなのだ。 中3の夏休みの始め、 バレーボール地区大会で惜敗し、県大会への切符を逃した俺達のチームは、 七月中に引退をした。 ? 男女共学高校の進学を目指し勉強を始めたところ、ひょんなことから葵ちゃんに図書館で勉強を教えてもらえることになった。 葵ちゃんに恋をしたのも、このことがきっかけなのだ。 それから2学期も3学期も二人で勉強を続けた。 そして俺は高校に合格出来た。 しかし、 葵ちゃんは1年6組、 俺は1年1組と、別々のクラスになってしまった。 でも、時々会って話しもするし、メールもちょっとするから、まだいい感じは続いてると思う‥。 ってなわけで、 俺は、葵ちゃんと付き合いたい。(!) でも、自分から告白とかしたことねぇかんな‥。 告白って一体、 どうやってするんだ? ‥やっぱり、人気のない場所に呼び出して、『好きです!』って言うんかな‥? あ、それじゃベタだしな‥。 他には‥ ラブレターか‥!? いやいや‥。書いてる自分を想像すると、逆に恥ずかしい。 それじゃあ、カラオケボックスや観覧車の中で二人きりになったときがいいかな? でも、そのシュチュエーション作るためには、葵ちゃんをデートに誘わなきゃならないのか‥。 そーいえば、いつか 鉄棒で“懸垂”しながら告白するってのもあった気もするけど‥‥ Ah!難しいなぁ?!! どうすればいいんだよぉ?!!! そんなこと考えながら毎日を過ごす俺であった‥‥。 いつの間にか もうすぐ4月も終わろうとしていた。 桜の花もピークを過ぎ、散りはじめの季節だ。
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