第2章 ~謎の男、現る~

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少拳部に入部して2ヶ月が過ぎた‥。 ほとんど毎日練習に行き、 俺は1年生の中で、1番上手くなっていた。 梅雨が明け、暖かい日が続いていた7月だったが、この日は雨が降っていて少し涼しかった‥。 授業は軽く流し、 部活動の時間になった。 「こんちわっす。」 少拳部が活動している道場の戸を開けた。 「おう!海村!早いな!」 主将の鈴木慶太郎先輩だ。 「少しでも早く上手くなりたいので。」 「お、そうか!頑張れよ!」 「はい!ありがとうございます!」 男子部室で法衣(いわゆる稽古着)に着替えていると、 部室のドアが開いた。 そこには背の高い、イケメンが立っていた。 (!!!!!!!) 「きみは海村孝昭くんだね?」 謎のイケメンは言った。 (なっ!!!何故に僕の名前知ってる?) 「‥‥いかにも。」 俺は戸惑いながらも答えた。 「ふむ。なるほどね‥‥。」 そう言いながら男は部屋に入ってきた。 「どちら様でしょうか?」 質問が、かなり固い言葉になってしまった。 「おっと。これは失敬‥ 俺は、宝井優将。1年6組、元開盛中学バスケ部。」 「?‥‥タカライ ユウショウくん?」 「海村孝昭くん。君の噂は聞いているよ。 俺と友達になってくれないか?」 (なっ‥なんだこいつ‥!!! いきなり現れて、友達になってほしいだって!?) 「別に‥かまわんが‥‥。」 「そうか!ありがとう!‥って事で今日からこの『少林寺拳法部』に入部するからこれからよろしくね!」 「えぇぇぇーーーっ!!!!! 何でまた7月の半ばになって入部するんだ?」 「そりゃぁ‥もちろん、友達でありライバルでもあるキミに勝つ為だよ。」 (何だ何だ何だぁ?? こいつ訳わかんねぇだろ!? ‥顔はイケメンだけど‥。) そんなこんなで‥ 俺は、 謎の男、宝井優将と出会ったのであった‥‥。
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