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空が青く、天に伸びるビルなんてどこにもない。電車二時間でやっと街に着く、そんなド僻地にその高校はある。 波多見高等学校。 畑、山に囲まれて平和な学園生活が送れているようにも見えるが、自然の中で自由に育った子供らには息苦しくなる、狭く感じる…そんな年頃が集まる高校で一つの波紋が広がろうとしていた。 その一人目は、白鳥瑞稀(シラトリ ミズキ)。彼が一番大嫌いな、憎らしい、殺したい程ムカつく…そんな女の子と出会う話。 それは春の風が夏の風を運ぼうとした頃の、いつものような春終わりの、いつものような夕暮れ。
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