お友達

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お友達

    「サンタさん、唐突ですが、お友達になれますか?」 「…え?友達?」 「実はそろそろ、帰らなくてはならないんです。でも、サンタさんとはもっとたくさんいろんな話しをしたいんです。助けてもらったお礼もしたいですし。もちろん、嫌だったらいいんです。」 夢だろうか?サンタは俺のはずなのに俺の目には彼女がサンタにしか見えなくなっていた。その手には見えないけれど、確かにある未来への約束というプレゼントがあるように見えて、仕方がなかった。 その手を掴まない理由があるとしたら、聞いてみたいものだ。俺は、迷うことなく、その手を掴んだ。そして彼女の手によって、ベンチから立たされ 「よかった。…私は、姫路(ひめじ) 響(ひびき)。サンタさんは?」 「俺、…僕は遠野(とおの) 与(あたる)」 「…じゃあ、もうサンタさんじゃないね」 「え?」 すっと、彼女の手が頬に触れた。正確にはこのサンタクロースのひげに触れて、 「あ、ちょ、」    
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