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バイト
そっちを向くと頬を少し赤くして赤色のマフラーと手袋をした5歳ぐらいの女の子はその赤い手袋の上に500円を置いていた
「ケーキくださいっ」
キラキラした目で微笑む女の子に笑顔で500円サイズの赤い箱を渡した。するとその子のお母さんらしき人がありがとうは?と促し女の子はありがとう!とお辞儀までしてお母さんと人並み溢れる交差点に消えた。まぁ、子供好きだから別にこれ嫌いじゃないからいいけどさ。
〝バイト〟、それはクリスマスイブとクリスマスにケーキを売るバイト。あの叔母さんがケーキ屋をやっていて毎年大量に作るもんだから店では売り切れずこうしてサンタの格好までさせられ売るバイトだ。寒いしこの格好(しかもヒゲまで)も嫌だし、夜だからたまに酔っ払いに絡まれるし…。
そしてまた空を見上げて、そういえばあの日も今日と同じような空だったな、と懐かしい記憶が蘇った。あれは去年の今日。
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