22人が本棚に入れています
本棚に追加
「し、司令⁉」
「あら、どうしたの九条訓練兵」
「い、いえ。……それよりも司令、何故このような場所に?」
「この、マヌケな弟にIDカードを渡しにね」
弟⁉ 京弥は内心動揺した。しかし、ここで自分が驚くとまた疑われそうなので怜香に口裏を合わせる事にした。
「し、失礼しました京弥殿❗」
九条も京弥が言っいた事が事実とわかると(本当はウソだが)慌てて敬礼をした。
「い、い、いや敬礼されても困るしさ、呼び方も普通に京弥でイイよ」
「そうか……」
「ところであんたの名前は?」
「……言ってなかった。私の名前は九条巫女斗。訓練生だ」
「ミコトか……。よろしく」
「ああ。こちらこそ」
互い手を伸ばして握る。最初のような厳しい視線は巫女斗にはない。
「自己紹介が終わったみたいたけど……京弥、貴方はどーする?」
「どーする? って言われても、 なぁ」
「わ、私に話を振るな」
「九条さんは何するの」
「私か? 訓練の途中だったからな。続きをするつもりだ」
「そっかぁ」
「それと私のことは『巫女斗』でいいぞ」
「……わかった。じゃあ俺はミコトの訓練を見学するよ」
「よろしいでしょうか? 藤之宮司令」
許可を求める九条。
「別に構わないわよ」
意外にあっさり承認する怜香。そして、ついでと一言足した。
「なんなら乗ってみる?」
最初のコメントを投稿しよう!