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「いいんですか⁉」
京弥は一般人だ。なのにシュミレーターとはいえこの基地の兵器に触れさせて良いのだろうか?
「もちろんよ。……と言うより、そこら辺を下手に歩き回られてまた面倒事を起こされるよりも、私の監視が届く場所に居る方が安心でしょ」
「さいですか……」
これまたあっさりと胸の内を曝す怜香。
「しかし司令❗ いくら司令の縁者とはいえそれは機密に触れるのでは?」
「イイ事? 九条訓練兵。この基地のトップである私が許可したのよ。立場の低い貴女が決めることではないわ」
何人とも逆らわせない、といった表情。そこには組織を率いる者の顔があった。
「し、失礼しました‼」
「まぁイイわ。……京弥、もう一度聞くけど、これに乗ってみる?」
「ぜひ‼」
「さて……九条よろしく」
「私ですか⁉」
「だって面倒なんだもん」
「…………………はぁ」
この人が司令で大丈夫なんだろうか? 溜息とともに何とも言えない不安が胸をよぎった。
「……それでは先ず操作システムの説明から」
「お願いします❗」
気を取り直して説明を始める九条に、京弥は満面の笑顔で答えた。
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