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「こ……の❗」
次々と飛来してくる瓦礫を突撃砲で粉々にしていく赤羽。
只迎撃するだけではなく敵機体の索敵も同時に行っている。しかし、なかなか捕まらない。元々の戦闘ポジションは前衛、なので索敵は余りしないのだ。他にも理由はあるが一番の原因は瓦礫が飛んでくる方向、だ。
「なんなんだよ❗ さっきから何処にいんだよ‼」
それは一方向からでは無く、赤羽機を取り囲む様に様々な所から狙ってくるのだ。回避と迎撃、この二つによってまともな索敵ができないのだ。
そして、しばらく続いた赤羽の迎撃行動は突然ストップしてしまう。
カチカチッ
「⁉ クソッ❗ 弾切れかよ‼」
予備のカートリッジは搭載していなかった。赤羽はただのお荷物となった突撃砲を捨てると、背中に装備されている長刀を機体に握らせる。
だが。
弾切れなどお構い無し、と言わんばかりに瓦礫が赤羽機を襲う。
先程とは違い今は回避だけだ。なので索敵をする余裕は僅かだができる。
結果。
敵は前方1Kmで静止していたのだ。
「ツ……舐めやがって‼」
銃撃される心配がないとわかっているのか、堂々とその身を晒す灰色の攻殻機。しかも、赤羽少尉の機体との間にはなんの障害物は無くブーストを使えば直ぐに切り付けることが可能だ。その眼前で空手家の様に構えをとっている。
明らかな挑発。
「調子に乗るな‼」
散々焦らされた赤羽は文字通り矢の如く敵機のもとへ飛び出した。
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