22人が本棚に入れています
本棚に追加
「……まぁイイわ。二人共、コイツに色々と聞きたいことがあるかもしれけど今は下がりなさい」
「……了解です」
皐月は黙って怜香の言葉に従ったが、納得していない者が一人。遥だ。
「ち、ちょっと待ってください司令」
「なによ赤羽ぁ」
「納得いきません❗」
「だから何がよ?」
本当はわかっている怜香なのだが、遥の反応がおかしくてわからないフリを続ける。
「さっきの模擬戦の事です❗」
「ああ、貴女がコイツに負けた戦闘の事ね」
「うぐっ」
『負けた』の部分をことさら強く強調する。
「納得してないのはわかったけど、貴女はどうしたいの?」
「コイツと再戦させてください❗」
京弥を指差しながら必死に訴える。
「悔しいのはわかるけど今は止めておきなさい」
「しかし❗」
「やめろ、少尉。お前はB装備使っていたのに、装備無しの相手に撃墜されたんだ。何度やっても同じだ」
「うっ」
皐月にまで言われてようやく黙った遥。
「藤皐月大尉、赤羽遥少尉。兵舎に戻ります」
皐月は軍人らしく、遥は渋々と怜香に敬礼して部屋を出た。途中、遥が振り向いてこちらを見たがそれだけだった。
「貴女も戻りなさい」
「……はい」
さっきまで成り行きを見ていた巫女斗も怜香に命令されて退出した。
京弥と怜香もしばらくしてその部屋から怜香の司令室に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!