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「貴方シュミレーターに乗ってたときペダルや操縦桿を使った?」
司令室での怜香は自身の椅子に座りながら京弥に尋ねた。
「どーしたんですか? 突然」
「いいから答えなさい」
「使ってないですよ」
「…………バーニアンも使用しないで、あの機動は電磁筋肉のみってことになるわね」
「?」
独り言を呟く怜香はなにやら考え事に集中している様です。
「…………確かにデータをみるとFLSのデータ入力量は遥の倍以上ある訳だし。……それによって機体の電磁筋肉が従来とは比べられないくらい稼動してる。単純な集中力とイメージ力だけで此処まで変わるものなのかしら」
シュミレータールームから持ってきた資料(京弥の頭を叩いてた物)をずっと見ている。
しかたがないので戻ってきた携帯電話を使って暇を潰していると、
コンコン。
規則正しいノックが二回、司令室の扉から聞こえてきた。
「誰か来たみたいですよ~~」
「……機体が今までの…………筋肉の消耗も……」
部屋の主の耳には届いていないらしい。
溜息をついて怜香の代わりに扉の向こう側の人物に返事をする。
「どうぞ~」
「? ……失礼します」
来訪者はどうやら怜香の部下みたいだ。ウェーブが掛かった長い髪に穏和な表情の女性士官。ぱっと見近所の優しいお姉さん、という感じだ。
「⁉」
京弥を見た瞬間何故とっても驚いている。
……正直傷ついた京弥だった。
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