2 鍛

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2010年 7月11日 京弥は全裸で走っていた。 ……訂正、トランクスに軍用手袋、軍式ブーツという限りなく変態チックな出で立ちである人物から逃げ回っていた。 「………………ァ……ハァ、ハァ……し、死ぬ」 虫の息状態にもかかわらず足を止めない京弥。 なぜなら。 「さぁ、追いついたぞ藤之宮。おとなしくその下着を渡して貰おうか」 鞭を手に、サディスティックな笑みを浮かべた昨日のお姉さん(カナメ)が後ろから迫って来たからである。 二時間前。 昨日とほぼ同じ時間に怜香の部屋で目を覚ました京弥は自分の身体がやけに疲れていると感じた。 単純に多分シュミレーターのせいだと考え、キッチンに向かった。 「う~~~~~~~ん、肩の辺りが凝ってるような……なんだろ?」 口を動かしながらも手を休めずに調理を続ける。数分後、匂いに起こされたのかベッドで寝ていた怜香もキッチンに姿を現した(ちなみに京弥は床の上)。 「……あんたも好きよねぇ~~」 低血圧気味なのかいまひとつ言葉に覇気が欠ける怜香。 「好きと言うより一つの習慣ですよ、コレは」 受け流すように答える京弥に、 「……早くしてよね」 面倒臭そうに返した。 「お茶葉って何処ありますか? コーヒーでもイイですが」 「そこの白い容器にコーヒー豆があるから煎れてちょうだい」 食後用に何か飲もうと再びキッチンに入る京弥。
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