2 鍛

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「……ここだよな? 第一グラウンドって」 時間は半をやや過ぎたところだ。 「集合って言われたけど何すればいいんだ?」 道具も何も無いこんな場所ですることは筋トレかランニングくらいだろう。 「貴様❗ 時間はとっくに過ぎているぞ‼」 迷っているさなかグラウンドの中央から怒号が飛んできた。自分では無いと思い反応しないでいると、 「ほう? 教官の言葉を無視するか。イイ根性だな、藤之宮京弥訓練生❗」 はい、名指しで呼ばれました。 「……え?」 「最後だ、今から私が三十数えるまでにこちらに来い」 状況は飲み込めないが要求には従った方が良さそうだ。声の主は早くもカウントを始めている。 「三十……二十九……二十」 駆け足でグラウンドの中心まで行くとそこには昨日の女性士官が腕を組み仁王立ちしていた。 「あ……昨日の」 「遅刻するとは何様だ❗」 「ああ……人が待ってるなんて知らなくて」 「ん? 私のことは聞いてないのか?」 「まったく」 「あの人は……まあいい、」 短く息をつくと頭を振り京弥を見た。 「そういえば自己紹介がまだだったな。私は日ノ守カナメ、階級は軍曹。今日から貴様の訓練教官となった」 「藤之宮京弥です」 「本来なら来期の訓練生として入校させるのだが、司令の指示で中途編入することとなった」 「訓練生? どうしてまたいきなり」 「わからんが司令なりの考えが在ってのことだろう。しかし……」 考え込むように言葉を区切る。 「しかし?」 「うむ、貴様の所属予定の訓練小隊は既に第一段階、体力や基本知識などが終わり、攻殻機の操縦訓練に入っているのだ」 「ウンウン」 「そんな場所に貴様を放り込んでも只の邪魔にしかならん。それを司令に伝えたのだが、 『知識とかはいいからとにかく体力を現役軍人並にしなさい』 との、とてもありがたい命令を頂いた」
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