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「貴様がこの場を離れてから五百秒後に私が追跡を始める」
そう言いながらその場で屈伸をする。入念に。
「タイミングは自由ですか?」
「ああ任せる。そして終了時間は1300だそれまでは何度捕まっても終わらないぞ」
そしてゆっくりと伸びをして身体をほぐす。丹念に。
「約3時間半……ですか」
「さぁ、いつでもイイぞ」
京弥の方は既に準備万端。早速駆け出そうとすると、
「!!」
背中越しに物凄い圧力を感じ、振り返る。
「む、どうした?」
「い、いえ」
背を向けると再び重い圧力を受けそうなので、カナメの方を見ながら後ずさりながらその場を離れて行く京弥。
そうして京弥の姿が完全に見えなくなってから時計できっかり五百秒カウントをする。
(どこまで逃げ切れるかしらね)
数字がゼロに近づく。
5
4
3
2
1
0
ゼロと同時にカナメは地面を強く蹴った。
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