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2010年 7月11日 早朝 某基地内 いつもなら寝ている時間帯、藤之宮京弥は目が覚めてしまった。起きて周りを見回すが、そこはいつもの自分の部屋ではなく知らない場所だった。 ……訂正。ここは藤之宮怜香の部屋だ。 昨夜連れられた京弥は宣言どうり床の上で寝ることになった。ちなみに、この部屋の主は今だに夢のなかだ。 辺りには怜香が脱ぎ散らかした服と下着があるが基本的に部屋の中は綺麗だ。 (……腹減ったなぁ) 昨日は結局すぐに寝てしまったので昼から何も食べてないことになる。 (どーすっかな?) 怜香を起こして朝食を用意して貰うか? (……いや待て。もしもこの女に変な薬を盛られたどうする?) 相手を信じるには一日は短すぎる。結局京弥は、すぐにキッチンを見つけたので自分で作ることにした。 30分後。 朝食を作り終え、頂こうとしたとき、 「……何勝手に作ってんのよ」 怜香が目を覚まし、腕を組んで立っていた。 起きたばかりらしくワイシャツ一枚だけだ。 「何って……ただの野菜炒めだけど」 「野菜炒めって……」 「二人分あるから、食べる?」 「……そうね、頂くわ」 こうしてようやく野菜炒めに箸がつけられた。 「……貴方、料理は得意なのね」 「得意ってワケじゃないけど、自炊してたらある程度はできるようにはなるよ」 「ふーん」 「しっかし、冷蔵庫の中見たとき驚いたよ」 「何が?」 「だってほとんど空なんだもん」 「仕方ないでしょ。このご時世食料なんてマズい合成モノばっかりよ」 「?」 「そうね。貴方は分かんないわよね」 そして怜香は箸を置き京弥を見据えて言った。 「別世界の人間である、貴方にはね」
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