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「それって飯食いながら言うことじゃないだろ⁉」
京弥はおもわずツッコンだ。ツッコまずにはいられなかった。
「うるさい。朝から騒がないの」
「いや、だって……すいません」
怜香に睨まれてさっきの勢いが無くなった京弥はバツがわるそうで、怜香が続きを話すまで黙ることにした。
10分後。
「……朝食も済んだしさっきの話をしましょうか」
「……お願いします」
京弥が出した食後のコーヒーを手に怜香は自身の考えを語り始めた。
「まず最初私は貴方が記憶喪失になったと思ったわ。だけど、貴方は自身のこともそれ以外のことも覚えているみたいだし、それは無いと」
そこで一息つく。
「他国のスパイの線も考えたけど余りにも一般常識が欠けてる。第一あんな危険な場所にいる理由がない」
「確かに」
頷く京弥。
「そしてこの機械よ」
その手には、
「俺のケータイ‼」
いつの間にか怜香が京弥の携帯電話を持っている。
「こんなに小型の機械を製造するのはどこの国にも無理よ」
「何でだよ? こんなモノ、ロボットを造れるくらいだから簡単だろ?」
「確かに造れるかもしれないけど、これを作るための発想や理論がここには無いのよ」
「?」
京弥は理解しきれてないが、つまりは「必要は発明の母」と言うことだ。この世界で携帯電話は必要とされなかったため造ることができないのだ。
「そして私が行き着いた仮説は貴方が別次元の人間じゃないかということよ」
「へぇー」
「貴方はどう思う?」
「何とも言えないけど……間違ってないと思う」
「へぇー」
「なんですか?」
「以外ね。もっと騒ぐと思ったから」
そう言ってコーヒーをまた啜る怜香。
「まあ。起こったことにどうこう反発するよりは、これからどうすれば良いか考えた方がイイですから」
「そうね」
「でしょ」
「これから貴方はこの基地に身を置く訳だけど、貴方は私の親戚として振る舞うこと」
頷く京弥。
「次に貴方は今から渡す地図の赤い部分以外しか行ってはいけないから」
渡された地図を覗き込む京弥。
「って、半分以上赤じゃないか⁉」
「仕方ないでしょ‼」
この後他にもいろいろな条件を承諾してようやく部屋の外に出れた京弥だった。
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