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「さて、何処に行こう?」
かたずけを終わらせ、時間を持て余している京弥は怜香の部屋から出て、何処に向かうかを悩んでいた。
「しっかし……これは無いな」
渡された地図を見るとそれには、
「ほとんど真っ赤だ」
%だと85%、割合だと8割5分(意味がない)。赤い色に侵食された地図。目が痛くなる。
だが、わかったこともある。この基地は地下の深い場所まであり、下に向かう程に重要度が高くなるみたいだ(赤いペンが何度も往復している辺り)。
「だったら地上に出てみようかな」
今居るこの場はまだ浅い所に位置するみたいだ。
「とりあえずまず外だ」
20分後。
「ハアハァ………ハァ………」
息切れしていた。別に京弥の体力が無いわけではない。
「なんで……エレベーターが壊れてんだよ」
こういう事である。おかげで約10階分を昇るハメになった。しかも階段が急で余計に疲れる。
「やっと……つ、着いた」
疲労困憊の様子だがしばらく休んだら、再び基地の散策を始めた。
外への出口を捜す途中京弥は面白いものを見つけた。人一人が入るくらいの大きさの箱。それが部屋の中に幾つも並んでいる。そして部屋の真ん中に大型の液晶モニターが吊されており、見る人が見たら、
「なに、ゲーセン?」
と呟きたくなるだろう。
そのモニターにはロボット(ここでは攻殻機)が一機映っていた。
そいつは廃墟となった町らしき場所を縦横無尽に動き、手に持つ銃を打ち、刀を振り回している。
だが急に立ち止まると、中央のモニターの画面が消えた。
「あれ?」
そして箱の一つが開いた。
「まだ動きがイメージと違うか」
その中には一人の女。長い髪をポニーテールの用に結い上げている。歳は京弥と同じか上くらいだろう。相当な美少女だ。
「⁉」
驚いた。相手が美少女だったからではない、問題はその服。全身をぴっちりと覆っている青と白のスウェットスーツ(のような服)。モロに身体の線がわかるため妙にエロい。そして聞き覚えのある声。
それは、
「俺を拉致ったヤツだ⁉」
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