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『xyh!!!!!!!!!!!!!』
奇声のように声をあげる黒い物体。
彼女は驚きもせずに呟いた。
「やはりお前ね。
死をもって償うのね。
定めを歪めた事を。
黒刃・鎮魂歌」
そう言って、笛を鳴らすと、笛から黒い刃が飛び出し、男の体を引き裂いた。
黒い影と共に。
男はやがて砂になる。
彼女は傍に近寄ると小さく何かを唱える。
聞いた事のない言葉を。
「Юкж。ёз。」
その声に呼応するかのように光る物体が浮かび上がり、砂が人型に形作られる。
そして、先程の男と同じ容姿になった。
男は何をしていたんだろうと言った感じできょろきょろとあたりを見渡し、少女の横を通り過ぎる。
まるで。
彼女が見えていないかのように。
少女は彼が見えなくなるのを確認すると白い何かを取り出し、空に飛ばした。
そして、一歩前に踏み出す。
電灯の下を彼女が通過した時。
彼女の顔が一瞬微笑んでいるかのように見えた。
俺が彼女に惹かれてしまったのは。
言うまでもない。
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