隼人という男

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そんなある日の夜、中学に入っていた兄の仁志が家で暴れだした。 滅多に叱る事の無い母を独占し続けた仁志は、非常に我が儘になり、友人が少なく内気になっていた。 中学に入り柔道部に入った仁志は次第に身体が大きくなり、外での鬱憤を家の中で発散するように暴れだした。 母でも抑え切れない暴れぶりで、隼人は、そんな仁志に向かっていったが、返り討ちにあった。 母は隼人と裕司を守って、殴られながら、隼人と裕司を窓から出して、逃げなさいと言った。 隼人は幼い裕司の手を引き、再びあの公園の土管に行った。 そして、また、公園に逃げ続ける日々が始まった。

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