中村家長男 空くんが語る。

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取り残された僕と弟達。 元々あまり家に居なかった両親がアメリカに行っただけのこと。 いつもの事だ、と僕は思っていたが 弟達はそうでなかったらしい。 両親にすぐ会えないのがいつもの事ではなかったらしく、 泣きに泣いて、 見送りに行った空港では僕は1人でおたおたとするしかなかった。 両親が出発してから1年、 弟達もこの状況にとっくに慣れて 今では僕が親代わりになっている。 家事に育児に毎日翻弄され 15歳の健全な少年は 周りからは 「所帯臭い」と言われる程になっている。 弟達は可愛いし、 毎日充実している。 周りからは 「大変そう」だとか 「えらいね」だとか言われていても 僕はそうは思わない。 所帯臭いとは自分でも思うけど、 今の自分はとても幸せだと思う。 周りから何と言われようとも弟達が僕の一番の宝物だ。 周りは変だと言うが、 弟達の笑顔があるとどうでもよくなる。 僕は本当に幸せだ!
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