女子

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世間一般に、「女子」と呼んで良いのは、だいたい何歳から何歳くらいの範囲なのだろう。 何かの雑誌で「30代女子」という文字を目にした。私からすれば、30代は女子ではない。これは「オバサンと言うと30代の方々に失礼だ」とかいう発想の賜物ではなく、素直に思う。30代は女子ではない。大人のお姉様だ。40代くらいまでは、大人のお姉様で良かろう。そこを越えると、大人のお姉様を続行している方とオバサンに二分する。 私が思うに、女子を名乗って良いのは、小学校入学から20代までだ。20代後半となるとやや怪しいが、前半までなら堂々と女子を名乗って良い。 私はどうも、この女子世代の方々が苦手である。 女子は、キラキラしている。それだけでもう、近寄りがたい。御簾の向こうに居てくれて、ようやく正面からお目見え出来るような存在である。 彼女達から溢れる若さだとかバイタリティーだとか、生命エネルギーのようなものに圧倒されてしまうのだ。 しかも、女子は徒党を組む。一人でも眩しいのに、固まられたらもう全く近寄れない。 私は幼少時から、一人でいるのが好きだった。隠れんぼや鬼ごっこは一人じゃ出来ないが、私は隠れんぼや鬼ごっこより、じっと座って絵本を読んだり手芸をしたり、そういう事の方が好きだったし、今もそうだ。 そのスタイルを貫いた結果、「女子は徒党を組む」という特徴に気付いて従うのが大幅に遅れ、気付けば周りはグループだらけである。 それなりに友人は持ったものの、クラスで「何人グループを作れ」などと言われたら、確実に余る子供になった。小学校高学年の頃には、何とか所属出来るグループを見付けたが、それまではまさに暗黒時代だった。 幼児の頃から黙々と一人遊びを続け、自分の手元を見つめ続けた視線を、ふと周りに向けてみた時の、あの異常な「取り残された」感は忘れられない。 各グループはそれぞれに女子特有の光を放ち、それ自体が結界となって、私はすっかり乗り遅れ、余所者に成り果てていたのだ。 そういう経験から、私は今でも「女子」が苦手だ。
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