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蝉が鳴いている。
僕が生まれる前からあるという大きな桜の木。
その木に止まって蝉達は自分の求愛行動に夢中になる。
僕は、まったくうるさい蝉だな、と毒づきつつも蝉達の合コン会場のベンチに座る。
美紀・智也一生愛してる!!
2004さとしと千賀子
結婚しよう 麻里
黄色のペンキが剥がれて、色の下から元々ベンチに書いてあった落書きが見えてくる。
立ち上がって自分が座っていた所を見てみると、そこにも同じような落書きが見えた。
悠が来るにはもう少し時間がある。そう思って僕は小さな石を持ち、真新しく色落ちのしていない場所に文字を書き込んでいく。
今日こそ告白 ちい
既に頭の中で何度も誓った言葉を書き込んだ。
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