勿忘人と叶わぬ告白

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 一週間ぶりの休日。といっても普通の日曜日。いつもなら家で休日という事実を噛み締めながらごろごろしている時間帯なのだが、僕は学校に来ていた。      夏期テストで悪い点数を取った者の何人かは゛補習゛という形で学校に来ていたり、部活動に青春を見出だしている者は、学校に来て青春を謳歌している。      別に僕は部活動に熱中している訳でも無いし、ましてや成績が悪い訳でも無い。他の理由があるのでこうして校内に入らずにベンチに座って待っているのだ。        時計を見ると既に12時を回っている。待ち合わせの時間は10時。きっと悠は忘れているんだろうと考え、僕を待たせている張本人に電話をかける事にした。  ポケットから携帯電話を取り出し、リダイアルをする。しばらくして悠が好きだと言っていたグループのデビュー曲が流れ出した。
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