シーン1【太陽の赤子】

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「バルド様。お生まれになりました」 「そうか!生まれたか!」 オラルト暦2000年8月1日。 月が太陽に空を明け渡さんとする薄明るい時刻。 オーガニロブ王国聖騎士でも1、2を争うアルフォード家のお屋敷で、新しい命が産声と共に誕生した。 書斎と思われる場所で毛筆を持って仕事をしているバルドと呼ばれた人物がメイド服の女性からその報告を受ける。 バルドは毛筆を叩きつける様に机に置き、颯爽と書斎を出てシャンデリアや多くの部屋、はたまた銅像や絵画が何点とある屋敷の赤カーペットが敷かれた廊下を我が子が生まれた部屋へと頭をポリポリ掻きながら急ぎ足で向かう。 ――我が子が待つ部屋に着き、一度大きく深呼吸をして後、ドアを開けた。
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