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しかし、黒ローブの人物からは先程の電気も出ず刃物などを出す事もなかった。
少しして黒ローブの人物は舌打ちをし、倉庫をゆっくりと出て行った……
――数時間後、黒ローブの人物は家が立ち並ぶ閑静な住宅地にある2階建てアパートの前に居た。
そのアパートはコンクリート造りで元々赤色だったであろう壁は色あせ、古そうな雰囲気を醸し出している。
黒ローブの人物は辺りをキョロキョロ見渡す。そして、急ぐ様に走ってアパートの玄関をくぐって2階の202号室に入っていった。
部屋に入り電気を付けると、現れたのは殺風景な8畳程の1ルーム。
部屋にあるのは布団の掛けられていないベッドとその下にある大きな鞄が一つだけ。
そこで、遂に黒ローブの人物はローブの首元にある結び目を解いた。
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