シーン3【帰還の都】

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「むかしむかし、この世界が2つに分けられていた時代の話です」 フィーナの優しく柔らかい声が聞こえる。 カルムは椅子に座っているフィーナの膝の上に座り、あまり上手でない絵が描かれている絵本をウキウキして見つめている。 フィーナは話を続ける。 「魔族の国オールベルクにリーヴェという一人の騎士が居りました。 ある日リーヴェはオールベルク王の護衛として神族の国サヘルに付き添いました。 そこでリーヴェは一人の女性と出会います。その女性の名前はリエナ、サヘル王の一人娘です」 ――フィーナの声が遠くなる。 それに伴って視界も白くぼやけ、遂に真っ白となった。
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