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「夢か……」
カルムは目を覚まし、おでこに手を当てて呟いた。
部屋には既に眩しい朝日が降り注いでいる。
カルムは起き上がり、目を細めて眩しさを我慢して窓を開けた。
今日の空は青々として雲一つ無い。この8月1日の空はカルム18歳の誕生日を祝福しているのだろうか……。
「太陽の騎士……また随分と懐かしい」
ポツリと呟くカルム。
しばらくし、カルムは窓を閉めて部屋の外にある共同の水道で顔を洗った。
その後、部屋に戻って直ぐに脱ぎ捨てたままだったローブを大きな鞄に丁寧に入れて持ち、アパートを出た。
数十分歩きカルムは【シルク方面】と書かれた4輪馬車を捕まえる。
その馬車に乗るのだがその前に引き手から渡された紙に行き先を記入した。
まったりと、ゆったりと、カルムとその他3人の客を乗せた馬車は走る。
前の客2人の喋り声がする中、カルムは窓の外を静かに見ていた。
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