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「そうだ。オーガニロブに行く……」
カルムはそんなおばあさんの顔とは正反対に冷静。
「あの国は敵国ですよ」
オーガニロブとレアルトビルが休戦したのはたった50年程前。それ以前は戦争が絶えなかった。
それ故に、その頃居たレアルトビルの人の中にはオーガニロブ王国を悪く言う人が少ないながら居るのである。
それからカルムはもう二度とおばあさんに口を開きはしなかった。
只ずっと窓を眺めていた……
数分後、シフォーネの町の一角で馬車は止まり、カルムを残し全ての乗客がここで馬車から降りた。
その際おばあさんが何か言ったが、カルムは全く聞く耳を持たなかった。
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