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カルム一人を乗せた馬車はシルクへとまた走り出す。
シフォーネを抜けてからから数時間、日が沈みかけてきた。
現在は広大な農村部を走っている。あまり整備されていない土道はガタガタと体を揺らし多少不愉快だ。
シルクはまだまだ先故、この先にある馬車業者の停泊場にて乗り換える事となる。
日が完全に沈み、星が輝きを見せ始めた頃に停泊場に着き乗換えを済ませた。
ここからまた馬車の旅。
客は依然カルム一人だけ。
いよいよ座る事に疲れて来た体を休める為、少々窮屈だが膝を曲げて寝転んだ。
――「……さん……きて……」
暗闇の先から声が聞こえて来る。
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