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そこからオーガニロブ王国の特有の派手さと、レアルトビルの地味だがどこか趣のある昔ながらの伝統を併せ持つ町の雰囲気を楽しむことなく、静かにオーガニロブ王国へと向かう。
少しして大きな赤レンガの砦が姿を現した。この砦はレアルトビルの入り口であり出口、検問所のような物である。
「カルムじゃあないか!おーい!!」
砦の門前に立つ、50歳前後で顔意外を鎧で纏い、片手に鉄製の剣を持った男が、笑顔で重そうな手を振りながら大声でカルムを呼んだ。
「どうも……スタロブさん」
カルムはスタロブの前まで歩み寄ると素っ気無い挨拶をした。
スタロブはそんなカルムを見て少し悲しそうな顔を浮かべ、口を開ける。
「今日はどうしてここに来たんだ?」
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