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ベッドとクローゼット、それに物入れとカーテンの敷かれた大きな窓しかない、20畳ほどの殺風景な白を基調とした部屋の中。
数人の女性看護師と男性医師、そして赤子の母でバルドの妻であろう白いベッドの上で赤子を抱えてあやしている蒼色で綺麗なストレートの長髪女性がなんとも微笑ましい雰囲気を作り出していた。
「フィーナ!」
バルドは妻と赤子に駆け寄る。
「あなた生まれましたよ。見てください可愛い男の子ですよ」
そう言ってフィーナは赤子をバルドに差し出す。
バルドは皮膚が赤く、もう既に産声を止めて金色の瞳を輝かせて笑顔を見せているわが子を見る。
瞳の色以外他の子とあまり特徴の違いは無いが、やはり我が子は特別に可愛く見えるもので、バルドの顔の筋肉が自然と緩み、笑みがこぼれた。
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