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言っている途中スタロブはカルムの大きな鞄をずっと見ていた為、何故ここに来たか恐らく分かっているのだろう。また少し顔を辛そうにしている気がする。
「……オーガニロブ王国へ行きます」
俯いて言うカルム。
「そうか、本当に行くのか?」
強く、真剣な口調でカルムに問うスタロブ。
「ハイ」
カルムは俯いていた顔を上げ真剣な眼差しで言った。声量こそ大きく出さなかったが、この一言に強い決意を込めたつもりだ。
「分かった。お前がそう決めたのならワシは止めまい」
「今まで……ありがとうございました」
気持ち程度頭を下げながらカルムは言う。この時、脳内にはスタロブとの過去の映像が流れ込んでいた。
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