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(恐らく、この人と出会わなければあの時死んでいた。
スタロブさんはどこの骨とも知らぬ俺を拾って、いつも自分の息子の様に接していた様に思う。
だが……俺は最後まで只の恩人としか見なさなかった。
俺はもう、誰かを信じる事は――ない)
そんな事を思いながらカルムは俯いて門を通る。
その際スタロブは通行書をカルムに渡し、元気でなとカルムの肩をポンポンと叩いた。
門を抜けるとそこには広大な一面緑色の平原が広がる。
一面といっても貿易やらで馬車などが通ることもあり、一応草を刈り取った土道が一本永遠と続いている。
その道を抜けたところにあるのがオーガニロブ王国だ。
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