シーン2【蒼雷の魔王】

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オラルト暦2017年7月31日。 場所はオーガニロブ王国の隣国であるレアルトビル国。 ガヤガヤと騒がしく薄明るく、奥行き20mはあろうかと言う広い場所。 両脇に木材や木箱などが積まれたそこは、部屋と言うよりは倉庫と言った方が正しいであろう。 少し開いた鉄製の引き戸より定期的に聞こえる波の音から海の近くである事が想像できる。 その倉庫の奥の方でギャングであろう男十数人が、正方形の木箱を並べてテーブルや椅子に見せかけた物の周りに座り、その上に置かれたビールやら酒、ツマミやお菓子を食べている。 その姿はとてもじゃないが上品とは言えず、スナック菓子やおつまみのカスは散乱し、ビールや酒もあちこちこぼれてテーブルに染みをつけている。 だが、本人達は全く気にしていない様子で楽しそうにクチャクチャと喋っていた。
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