ナラク

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それからの俺は 何もかもが嫌になっていた リハビリさえちゃんとやれば動くはずの足も どうでもよくなっていた 何もやる気が起きない… そんな俺を見かねてか 妻がポツリと呟いた 「お父さん…帰ろう?」 馬鹿なことを… 帰ろうにも 許可が出てないではないか 「帰ろうって…退院許可でも出たのか?!そんな訳無いよな」 「明日、私から先生に言うわ。このままここに居てもお父さんには意味ないでしょ?あの子達も寂しがってるし…」 「馬鹿か?!お前!帰ったところでお前がしんどいだけじゃないか!厄介者抱えるだけだろうが!」 「お父さん…」 …わかってるさ… 八つ当たりしてる事くらい だけど 俺にもわからないんだよ どうしたらいいか… 「ごめん…」 俯き泣く妻に 俺は謝るしか出来なかった
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