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その日は 突然やってきた
あの日 いつも通り自宅を出て
いつも通り 会社に着くはずだったんだ
あのトラックさえ突っ込んで来なかったら・・・・・
気が付いたときには 病院のベッドの上だった
思うように動かない体と 痛み
心配そうに覗き込む家族の顔
状況を把握するのに しばし時間がかかった
「お父さん・・・・目がさめた?」
最初に話し掛けてきたのは妻だった
「どうなってんだ?俺・・・」
「覚えてないの?お父さん事故に遭ったの」
覚めきってない頭で記憶を辿る
交差点で信号待ちしてて・・・・
青になったから 発進したら・・・
そうだ・・・横から・・・
「思い出した?お父さんね トラックとぶつかったのよ。足挟まれてて大変だったのよ。切断寸前だったんだから・・・・」
涙混じりに話す妻をみて 事故の大きさを知った
「俺の足は?」
「ギリギリで熱が下がったから 何とか切断せずに済んだわ・・・ただ・・・・」
「ただ・・・何だ?」
「少し麻痺が・・・たぶん引きずるようになるって」
「そうか、でも俺はスポーツ選手じゃないから別に構わんさ」
「あと一部肉を抉ってるから 移植しないといけないみたい・・・動かせるようになるまで リハビリも・・・・」
「そんなの 生きてられたんだ 頑張るよ。」
「・・・・そうね・・・頑張りましょう」
この時 俺は状況を軽く見ていた
「頑張れば・・・・」
そんな風にしか 考えてなかったんだ
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