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安静時期が過ぎ 回復してきた頃 最初の移植をした
自分の身体の一部を 他に移植するなんて なんだか変な感じだった
移植後は また暫く動けない状態が続き 退屈な日々が続いた
妻は献身的に介護を続け その間幼い子供たちは妻の祖母が見ていてくれた
こんな時 自分が孤児だったことが悔やまれる
やがてリハビリが始まろうとした時 俺は現実を叩きつけられることになる
妻の手から渡された 解雇通知
長期にわたる求職が原因
時代は 高度成長期
働き手はいくらでも居る
そんな中働けない人間などいらない
俺は 一瞬で奈落に突き落とされた
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