手紙

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2007.07.13 初夏の昼下がり。 俺はマンションの階段を 駆け上がった。 『ちょっと言い過ぎたな。まだ怒ってんだろうな。』 一昨日の口喧嘩を 後悔しながらも 少しでも早く帰れるように 俺は車で急いでいた。 『ただいま!ラーメン行こう?』 なるべく明るく 玄関を開けて 俺は千秋(仮名)を 呼んだ。 ・・・しかし 静か過ぎるマンションの部屋に エアコンの音と 猫の『番長』の爪とぐ音しか 聞こえてこない。 『あれ?昨日言ったのにな?スロットでも行ったのかな?』 そう思った俺は 携帯に電話してみた。 プルルル・・・プープー あれ? 着信拒否? おかしいな・・・ かけ直したが やはり着信拒否されている。 嫌な予感がした。 部屋に戻り 千秋の部屋を開けた。 ・・・やっぱり。 次にテーブルを見た。 『ふざけんな。』 つぶやきたくもなる。 手紙がキチンと 置いてあった。 アイツの部屋には 身の回りの物は 無くなっていた。
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