救世主

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救世主

森の奥で1匹のメスのうさぎさんが青い小鳥さんに、言付けを頼んでいました。メスのうさぎさんは青い小鳥さんが 無事に戻って来るのを祈るのでした。 いつもと同じ朝をむかえ いつもと同じ朝のお散歩。同じ道をいつもと変わらずに歩いていました……。 「おはよう!はとさん。今日も良い天気で良かったね。」「おはよう!ねこさん。今日はお一人ですか?」 その時です!1羽の青い小鳥さんが飛んで来ました。「大変なんです!」 「どうしたの?」 「森の奥に住んでいる動物さん達が困っているから、助けて欲しいんです!」 「わかったは 直ぐに案内して!」と言うと、青い小鳥さんがはばたくと、青い小鳥さんの後を追い掛けて大急ぎで走り出しました。どのくらい走ったのでしょう。気が付くと深い森の中に、ひときわ大きい立派なお屋敷が寂しげに建っていました。そのお屋敷の周りには大勢の動物さん達が泣いているのではありませんか。その光景を目の当りにすると、ただ事ではないと直ぐにわかりました。 そこへ1匹のメスのうさぎさんが近づいて来ました。「あなたが私達の声がわかる御方なのですね?」と訊ねました。 「何故か解るんだよね。」と恥ずかしながら応えました。メスのうさぎさんから事情を聴くと「ヨシ!わかったは!助けてあげる。」と言い作戦をねり始めました。すると、メスのうさぎさんはこんな質問を投げ掛けました。「あなたのお名前はなんて言うのですか?」と――。 ビックリした表情で「そうだったわね。まだ言っていなかったわね!ゴメンね。」と恥ずかしながら自己紹介を始めました。「私の名前は…柏原 友華(カイバラ トモカ)です!ティモちゃんと呼んでね。」と満面の笑みで応えました。メスのうさぎさんの願いが叶ったのでした。必ずどこかに私達の声が聞える人間がいる事を―――。それを青い小鳥さんに託したのでした。
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