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悪い人間達(ヤツラ)
うさぎさんを閉じ込めた悪い人間達はこんな会話をしていました。
「あのうさぎは不思議な能力を持っているんだゼ!」
「で、なんだよ不思議な能力ってさ!?」
「俺も知りたいゼ!」
「まぁ―見てろよ!」
そう言うと髭面の男が一人うさぎさんに近づいて、うさぎさんに言いました。
「ここから出たければ大人しく言い事を聞け!」と小声で脅したのでした。髭面の男が、うさぎさんを檻から出して、1台のシンセサイザーの前に座らせました。
他の悪い人間達が野次を言い始めたのでした。
「バーカ!うさぎが弾けるワケがないだろ!」
「オレらをバカにするにも程がある!」すると、髭面の男が自身有りげな笑みを浮かべ「まぁ―見てろよ!」と言うと、うさぎさんは男の言葉が解るかの様にシンセサイザーを奏で始めました。周りの男達は、もうそれはビックリ仰天したのでした。うさぎさんが弾き終わると髭面の男が言いました。「どうだ驚いただろ!?」周りの男達は目を丸くしたまま頷(ウナズ)くのでした。間抜け面の男が言いました。「そのうさぎをどうするんですかボス?」ボスと呼ばれている髭面の男が怒鳴りました。
「馬鹿!このうさぎを世間様の見せ物にして、金儲けするに決まってるだろ!!」と言いました。すると、賢そうな男が言いました。「さすがボス!このうさぎを利用して金儲けとは考えたものですね。このうさぎならやってくれそうだし…しかも人間の言葉も理解していそうだしな…!?」と卑(イヤ)しい顔をしながらうさぎさんを掴んだのでした。うさぎさんは震えながら思ったのでした。このままどうなってしまうのかと…。
そして、何よりも心配なのは森の動物さんの事なのでした。
自分の身の危険よりも、森の動物さん思いの優しいうさぎさんなのでした――――。
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